2009年02月16日

R25さんに【猫カフェの謎】という記事が載ってたので

今日のお題はコレ。


 http://r25.jp/b/report/a/report_details/id/110000006179


えー、流石R25さんです。
さらりと読ませて、締めるトコは締める。相変わらず上手いライターさん揃えてらっしゃる。個人的にはツッコミ不要の良記事なんですが、猫カフェ古生代からの生き残りがなんかの足しになればと補足情報書いてみます。


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まず、猫カフェも全国60店舗を超えた現在、結構色んなタイプがありまして。
『愛猫家向けサロン』というのは少数派になりつつあります。
代表的な所では

東京
  西小山:curl up cafe_2007/04/09_OPEN
大阪
  森之宮:猫とあそぼ_2004/12/19_OPEN

いずれも小規模で、猫好きオーナーがやってて、経営より趣味、従って宣伝も販促も積極的にやらない、でも社交的なので愛猫家が集まる、といった特色があります。常連さんが多く、いずれも猫の事を知ってて親切という半面、猫のことを知らないという一般の人は少々敷居の高さを感じてしまうのがネック。


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で、その一般人向けに重点を置いたのが、現在流行の【一般人向け癒しスポットタイプ】。猫のこと全く知らなくても気軽に行ける、という点がウケて、お客さん多数、マスコミにも取り上げられ、猫カフェブームの立役者となったタイプです。

この両者を併せた【ハイブリッド型】、ひっそり趣味でやってる【隠れ家型】、【テーマパークタイプ】に【猫寺】なんてのもあります。あー、時代の流れは速いっすねー。


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ただ、【空間を時間貸し】するシステムは変わってません。
まだお手本が無かった時代、ウチが猫カフェを作るにあたって考えたのは、見込まれる平均滞在時間の極端なまでの長さ。確かドトールコーヒーが10分台、スタバでも20〜30分、ドトール繁盛店ともなると7分と聞いて、あーこれは時間制料金じゃないと潰れるわ、同じカフェでもネカフェの方が料金体系合ってるわと思ったのは懐かしい記憶です。
当時、台湾【猫花園】では、2時間くらい居るのが普通、といった感じでした。


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そして、くしくも日本最初の猫カフェ【猫の時間】さんも時間料金制を採ってた事で、猫カフェ=時間料金がスタンダードになったようです。
ちなみに日本で猫カフェが話題になり始めた2006年、紅茶一杯幾らというシステムの台湾猫カフェはブームが去り、ばたばたと潰れました。猫々台北の方に「原因は何ですか?」と聞くと
http://www.tabitabi-taipei.com/youyou/200508/

 「お客さんの滞在時間が長くて回転率が悪い」

というのが主な原因と話してくれました。


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そういう点で、猫カフェは【時間料金制】にしないと難しいという宿命なのでしょうね。ただ、本場台湾の2大猫カフェは、一杯幾らの料金体系で10年近く営業してます。殊に【極簡 Cafe】はノートPCでレポート作成といった学生さんのたまり場になっているにも関わらず、いまだ衰えを知りません。偉大としか言いようがありませんね。


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【マーケティングとオペレーションはしやすい業態】というのは、事実です。
特にマーケティング。かなりやりやすいです。が、趣味で始まった業態なので、マーケティングに重きを置いてる店舗さんは殆ど見あたりません。もったいない話です。正直アホだと思います。ウチとかウチとかウチとか。


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一方、オペレーションはテンプレ的に進めれば楽、こだわれば相当な高難易度です。理由はひとつ、扱うのは生き物だから。

保育園と同じです。マニュアル通りに進めれば最低限のサービスはクリアできますが、こだわる保育士さんの仕事を見てると頭が下がります。
なんで泣くの?なんで悪いことするの?なんで怪我するの?なんで粗相するの?なんで?なんで?と、常に問題が起きては原因推測して対処して、違ってたらまた原因推測してと繰り返す、ある意味苦行です。

目を見て表情を見て、行動を見て他の子との態度を見て...ひとつ片づいても、また別のトラブルが。正直、よほど根性の座った人でないと、【本当の】オペレーションはできません。


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上で紹介した猫々台北の方が言ってた【台湾猫カフェが潰れた原因】に、こんなのもあります。


 「ビジネスで参入した所は、猫好きのバイトさんが辞めると、途端に猫がスレる。
  猫がスレると、お客さんも来なくなる。で、潰れる」


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【不景気下で客足が遠のく】。これは事実です。実際、12月以降凄い勢いで景気減速を感じてるという店主のぼやきは多方面から入ってきます。中には経営的にキツいという話も。個人的にファンな店の店主さんは、【お家賃が払えたらいいな...】と漏らしてたそうです。

しかしまあ、大恐慌の時代だって喫茶店全滅とかしてないんだし、戦国時代だってお茶屋さんは営業してたんだし、需要に合った供給心がければ、どんなお店だって生き残っていけます。
と、自分に言い聞かせてます。
ちなみにウチ、いまだ債務超過です。アホとしか言いようが。


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さて、後編。
同業者さん噛んでる話なので、緊張しますな。

まず、【保健所から猫カフェににゃんこを貰えるか】。これはやった事ないので判りませんが、難色を示されるでしょう。保健所さんとつながりの深い動物保護団体さんからも「最後まで面倒見切れるの?」という疑問が呈されてもおかしくありません。なにしろ猫の寿命10〜20年・店舗3年生存率3割という数字を比べると、そう思わない方が不思議です。


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【いろいろな猫ちゃんがいることが基本】。これは確かです。
お客さんの反応見てると、まずキャッチーなのが【自分が知っている血統種】、次が【自分の知らない血統種】、そして【珍しい血統種】と続きます。幕の内弁当みたいなもんですね。高級そうなのがたくさん。実に日本人好みです。
「猫の魅力はそんなんじゃない」と力説する猫好きの方は多いのですが、一般の方はそれが普通なのです。


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一方で強力な効果を発揮するのが、【血統・種類・特徴を超越した個性】。

昨年人気爆発した
  御器所:猫カフェ なーごなーご_2006/09/23_OPEN
の【たわしねこ】のように、【あの子がいるから会いに行く!】という強烈な個性を持った猫が居る事も大事です。猫カフェ60店舗あるものの、【猫の名前が出てくる店】というのは稀少。そのあたりは2005年から古株猫カフェスキーが本にしたので、そちらを手にとってください。


 http://akaneko.sblo.jp/article/26198568.html


ってトコでいいっすか?達人(笑


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まあ個性ある猫といっても、猫本人の資質同様、周りの愛情も大切です。スタッフだけでなく、お客さんの愛情もね。
みんなが親代わりといった雰囲気のお店じゃないと育たないのが【個性ある猫】。安易に入手する方法はありませんよ。


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あと、【いろいろな猫ちゃんがいることが基本】ではありますが、応用というか変化球というのもありますので、基本一辺倒にこだわる必要もないです。というか、こだわった店ばかりだとドレも同じでつまらんので、これから開きたい人には基本以上に応用にも目を向けて欲しいところです。


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たとえば【黒猫の店】なんてのを作ったらハァハァする人が私の隣に一名居ますし、【姫猫の店】【ちび猫の店】なんて特化型も意外な反応があるかもしれません。
個人的には【和猫年寄り限定 −そこのお嬢さんや、儂を撫でていってくれんかの−】ってのがあったらいいですね。畳席でね、縁側あってね、飲み物は緑茶だけ。作らんけどね。


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なんか脱線しましたな。
えーと、B to B(business to buisiness)。
【獣医師さんとの連携】でしたっけ。次は。


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これはちょっと難しい話です。
健康管理は大事ですが、「ウチの子?顔見りゃ元気かどうか判る。医者なんざかかった事もないさね、わははは」というお母さんも居れば、「ウチの子は病気が心配だから、毎週かかりつけのお医者さんに連れていってます」というお母さんもいますよね。どっちが良い悪いというのではなく、二種類の方法があります。


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自分に子供が出来たとして、どう健康管理していくか、そういう気持ちで真剣に考えた結果であればいいのではないでしょうかと書いてる私は前者タイプ。ちょっとでもおかしいと思ったら環境から見直すので医療費は殆どかかりません。
勿論このやり方にも問題あります。属人的なので、その人が忙しかったり居なかったりすると、とたんに管理が甘くなるという罠。ウチも昨年、2号店出すのに忙しい時期、ポッキーがメタボになったの気づくのが遅れたという黒歴史が。

かといってお医者さんとマニュアル方式が良いかとなると「一番大事なのは我々医者より、お子さんの些細な異常も見逃さない、親御さんの愛情なんですよ」。


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猫カフェに必要な二つの資格。
これはパーフェクトなので、なんら追加する必要ないですね。
まともにやったら資格取得に2年。
資格持ってるバイトさん雇えばといっても、その人が辞めたらアウトというか、辞めた事が保健所にバレたらアウトなので、安易に考えちゃ駄目です。


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そろそろ時間が無いので、数字的なトコを数点。
猫カフェ平均来店者数 月間1000〜2500人というのは、小規模店舗が勘定に入ってない感じがします。小規模店舗は500人前後くらい。ええ、ウチがそうでしたからね。ちょっと数字が期待もっちゃうものだったので、厳しい現実の数字も。

店舗稼働率も同様。
10%前後という店も稀少ではありません。ええ、まったく。


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今日の日経新聞【私の履歴書】ドトールコーヒー創業者さんのお話が載ってます。それによると、ドトールコーヒー最初のお店(名前は違いました)の回転率は12回転。平均的な喫茶店の回転率は6回転。
平均的な猫カフェは2回転あたりではないでしょうか。繁盛店と思われるらしいウチの池袋店も、平日1回転切ってる事も。

あんまり夢見ない方がいいですよと書いて、終わります。
猫カフェやるぐらいなら、ホント、ラーメン屋さんやった方がいいですよ。


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ふー。
えらい長文になりました。推敲してないので、流れが滅茶苦茶だったりしたら済みません。なんかツッコミあったらドウゾ。
記事にしてトラックバックでもOKです。

ニックネーム ねこのみせオーナー。 at 19:34| Comment(5) | TrackBack(1) | 猫喫茶いろいろ。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする